実は子供が大嫌いなんです…(アダルトチルドレン)

DINKS

こんにちは!ブログに立ち寄ってくださってありがとうございます。
ココは、私が60年の人生で向き合ってきた人生模様、その扉を開け綴っています。
今日は2000年頃のお話の扉を愛鍵で開けてみましょう。

数か月後に結婚を控えたある女性からの相談でした。
愛する彼との結婚は心から嬉しく、自分の両親も大賛成の結婚、彼のご両親からも可愛がられていて、一体どんな悩みがあるのかな?と思いながらお話を伺っていくと…彼女の年齢は30代後半、彼は少し年下だったのですが、休日にはボランティアで地元少年サッカーチームのコーチをするほどの子供好きでした。日ごろから子供たちとの他愛ないやり取りを楽しそうに話す彼は、もちろん結婚後はすぐに子供が欲しいと言っていました。しかし、彼女の悩みはこの “彼の子供好き” にありました。

彼女は、まるで罪を告白するかのような小声で言いました。
「私、実は子供が大嫌いなんです…」
そして、結婚したら誰もが子供を望みそれが当たり前で正しいことだという周りの意見に萎縮し、本音を言えずに結婚の準備をしている自分が、まるで罪人のような気持ちになっていました。
友人たちは、みんな口をそろえて「自分の子供となると話は別、絶対に可愛いから」と言うけれど、彼女はどうしても子供を可愛いとは思えない自分が、子育てなどできないのではないかと悩んでいました。
世間でよくある幼児虐待とかを自分がしてしまったら…と考えてしまうこともあるようです。

彼女の話す内容も然りですが、話すその表情に、私は、彼女には癒しきれていない幼少期の闇があると感じました。単に子供が苦手というレベルではなく、心の底から湧き出る子供への嫌悪感が伝わったのです。
問題は、彼女の子供嫌いがいつからなのか?という点です。
小中学生の頃からなのか、それとも大人になってからなのかで多少は原因も変わってきます
彼女の場合、ずっと昔、小中学校時代から同級生は幼く感じていて、年上とばかり遊んでいたそうです。。
バカな遊びをして喜んでいる同級生を見ていると、心のどこかで蔑んでいる自分がいて、大人になってからも、同じ年代より年上の人といる方が落ち着くと感じたり、飲食店などで子供が発する大声や金切り声、泣き叫ぶ声を聞くだけで腹立たしくなったり、スーパーを走り回る子供に異常なほどイラついたりすると言いました。

私は、彼女の育った環境にヒントがあると思い聞いていくと、教育者の両親のもと、一人っ子で育った彼女はいつもおとなしく良い子でいることを教えられて育ちました。わがままをいったりヤンチャをするような振る舞いは許されなかったそうです。どこへ行ってもおとなしくじっとしていることが良い子だと思い込まされていました。彼女は、一番遊びたい時期、甘えたい時期、わがままを言いたい時期に、それがさせてもらえない環境だったのです。

子供らしさ…
これは観点はいろいろだと思いますが、やはり一番は、周りの状況などより自分がしたいことをする。それが後々叱られるようなことでも、やっている時は考えなどなしに、楽しいから、面白いからと言う理由だけで後先考えずに行動するのが子供です。自分のしたいことがいけないことだとわかっていながら我慢しないのが子供だと私は思っています。
そのような環境で育つ子供は、多方面からいろいろな情緒が育まれ、心と体がバランスよく成長していきます。しかし、そんな大事な時期、良い子であるために自分の気持ちを抑圧し、やりたいことができずに育った子は、自分の心の中に、まだ消化しきれていない “子供の心” が鎮座しているのです。
この症状は、決して重くはないですがアダルトチルドレンの症状でもあります。

彼女の場合も自分の心の中に、“もっとこうしたかった!ああしたかった!” という、わがままでお転婆な女の子が消化しきれずに存在していました。

私は彼女に、自分の中にいる幼い彼女を思い切り抱きしめて癒してあげることを提案しました。
幼い彼女がやりたかったことを大人になった彼女と一緒にもう一度トライし、恥ずかしいと思うことでも、子供の頃したかったことにチェレンジすることで、彼女の中にいた幼い彼女がどんどん癒されていくのです。
彼女は、藁をもすがる思いで私の提案を受け入れ、私と一緒に取り組みました
そうすると不思議なことに、数か月後には、やりたい放題している子供や泣き叫ぶ子供を、微笑ましく見れる自分が現れてきました。もう一度、大事なことを置き忘れていた子供時代をやり直したことで、自分が出来なかったことを平気でしている子供への妬みのような感情が消えていったのです。

彼女は子供が嫌いだったわけではなく、自分の中にいるかつて子供だった自分を癒せないまま大人になっていただけでした。

結婚前に、子供を望む彼のことすら、どんどん嫌いになっていくのではないかと悩んでいた彼女は、その後晴れて素敵な花嫁さんになり、今では高校生の娘さんと大の仲良しお母さんです。
年賀状で、毎年ご家族の笑顔をみるたびに、私まで幸福感をいただいています。

アダルトチルドレンの特徴

1 自分の考えや行動が「これでいい」との確信が持てない
2 物事を最初から最後までやり遂げることが困難
3 本当のことをいったほうが楽なときでも嘘をつく
4 自分に情け容赦なく批判を下す
5 楽しむことがなかなかできない
6 まじめすぎる
7 親密な関係を持つことが大変難しい
8 自分には、コントロールできないと思われる変化に過剰反応する
9 常に、他人からの肯定や受け入れを求めている
10 自分は、人とは違うといつも感じている
11 常に責任をとりすぎるか、責任をとらなさすぎるかである
12 過剰に忠実である
13 衝動的である。他の行動が可能であると考えずに1つのことに自らを閉じ込める

  (学陽書房1996「アダルト・チルドレンと家族」著/斉藤学より)

もし、ほんの少しでも、自分ももしかして?と思うところがある方は、是非、お早めにご相談ください。
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